痛みのある患部から離れた場所にお灸を据えてなぜ効果があるの?

お灸は、手足の冷え・肩こり・頭痛など、体の悩みに合ったツボを刺激することにより、症状の改善をはかります。

たとえば、手にある合谷というツボは“万能のツボ”ともいわれ、頭痛・肩こり・便秘・生理痛などたくさんの効果が望めます。

手のツボは、比較的簡単にお灸を据えることができるため、初心者の方やセルフでお灸を楽しみたい時に最適です。

しかし、「手にあるツボなのに、なぜ頭痛や肩こりに効果があるのだろう」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マッサージをする時は、肩こりの場合は肩を揉むし、腰痛の場合は腰を指圧したりしますので、肩こりは肩のツボ、腰痛には腰のツボにお灸をする方が効果があるように感じます。

では、なぜ不調のある部分から離れた箇所にお灸を据えるのか。

それは、体のねじれが関係しているからです。

たとえば、肩こりや肩の痛みは、腕のねじれによって引き起こされています。
そして、ねじれの元(ツボ)と、その影響が出る患部は離れている場合が多いのです。

ツボと患部は、経絡という『気・血・水』の通り道でつながっています。

そのため、ねじれの原因となっている箇所(ツボ)をお灸で刺激した方が、患部の痛みや不調をやわらげることができます。

痛みや不調の原因となっているツボを刺激することで、症状を元から改善することにつながるのです。

また、痛みや不調が出ている患部と離れた場所にあるツボを探すことで、気を紛らせることができます。

患部とは関係のない場所に意識を集中させるだけで、なんとなく不快な感じが軽減されるのです。

「肩こりがひどくて辛いなぁ」という時は、ひじの関節の内側にある少海という肩こりに効くツボを探してみてください。

すると、ひじの内側にある少海を探しているうちに、痛みに集中していた『気』が紛れて、なんとなく肩こりが軽減したような気がしてくるのではないでしょうか。

お灸は、痛みや不調のある患部から離れた場所にあるツボに据えることで症状を元から改善したり、気を紛らせて不快感を軽減するといった効果が期待できるのです。